三次調整力①・②の違いとは?15分・60分と蓄電池運用を整理

三次調整力①・②の違いを、対象となる予測誤差、15分・60分の応動、30分継続、取引時期、上限価格、蓄電池のSOC管理から解説します。

三次調整力①は、実需給が近づいてから残った需要・再エネ予測のずれや電源脱落へ15分以内で対応する商品。三次調整力②は、FIT特例制度①・③の再エネ予測誤差へ60分以内で対応する商品です。どちらも30分継続しますが、買われる理由、必要量の決め方、応動時間、価格上限が違います。本記事は2026年8月28日時点の公表情報を基にしています。

DIFFERENT FORECAST GAPS三次①・②は、備える予測誤差と応動時間が違う2026年8月28日時点
三次① / 対象GC後の需給差

需要・再エネ予測誤差、電源脱落

三次① / 応動15分以内

継続30分、前日取引

三次② / 対象FIT予測誤差

FIT特例制度①・③の再エネ

三次② / 応動60分以内

継続30分、30分単位で取引

三次②は三次①をゆっくり動かす商品ではありません。必要量を確保する目的そのものが異なります。

01

①はGC後のずれ、②はFIT再エネの前日予測誤差に備える

EPRXの商品説明では、三次調整力①はゲートクローズ以降に生じる需要予測誤差・再エネ出力予測誤差と、電源脱落による需給差へ対応します。実需給が近づいても残る計画との差を、15分以内に動けるリソースで埋める商品です。ゲートクローズは実需給の1時間前です。

三次調整力②は、FIT特例制度①・③を利用する再エネの予測誤差へ備える商品です。EPRXは必要量の算定に、前日予測値とゲートクローズ時点予測値の差を用いています。名称が似ていても、三次①の遅い版ではなく、確保する目的が異なります。

02

応動は①が15分以内、②が60分以内

三次調整力①の標準要件は応動15分以内・継続30分、三次調整力②は応動60分以内・継続30分です。2026年度から三次①は前日取引・30分商品となり、三次②も30分単位で取引されています。応動時間は、指令を受けてから必要な出力へ到達するまでの上限です。

OCCTOの制度整理では、両商品とも専用線または簡易指令システムを使用します。三次①の指令間隔は専用線で数秒~数分(エリアにより異なる)、簡易指令で5分。三次②は1~30分で、事業者が収集する周期に合わせることも許容されています。実際の仕様は属地TSOと現行の事前審査資料で確認します。

03

蓄電池は、約定した出力余力を30分コマで確保する

需給調整市場で現在取引されるのは上げ調整力です。電気が不足する方向の指令に対し、蓄電池は放電を増やすか、充電中なら充電電力を減らします。三次①は15分以内、三次②は60分以内に必要な出力へ到達できる範囲を応札します。

両商品とも継続時間は30分ですが、PCS定格だけで応札量は決まりません。連系点の出力上限、使用可能容量、SOC上下限、充放電効率、補機電力、温度制約、劣化、指令が来たときの他市場運用を含め、約定した30分コマで指令へ追従できる余力を残します。

BUSINESS CHECK上限価格だけで収益性を比べない
共通要件30分 / 1MW

継続時間30分、最低入札量1MW

三次① 上限7.21円

円/ΔkW・30分

三次② 上限設定なし

高値約定や売上を保証する意味ではない

共通の確認ΔkW+kWh

待機能力と実際の調整電力量を分ける

約定率、SOC維持、充電費、効率、劣化、通信費、手数料、アセスメントを含めて商品別の手取りを試算します。

04

上限価格は①が7.21円、②は設定なし

2026年8月28日時点で、三次調整力①のΔkW上限価格は7.21円/ΔkW・30分です。三次調整力②には上限価格が設定されていません。『上限なし』は高値で必ず約定する意味ではなく、募集量、応札量、約定処理、実績、精算条件によって売上は変わります。

事業性評価ではΔkW単価だけを比較しません。約定量・約定率、実際に動いた調整電力量、充電電力費、効率、劣化、通信費、アグリゲーター手数料、アセスメントを商品別に置きます。三次②は必要量を全て使うことが少ないとEPRXが説明しているため、待機能力の収入と実際の調整電力量収入を分けて試算します。

05

三次②の使用率は、必要量が多すぎるかを示す数字ではない

EPRXは三次調整力②について、前日予測値からゲートクローズ時点予測値を差し引いた誤差実績と、必要量に対する使用率を公表しています。2026年3月14日の複合商品の前日取引開始後は、前々日の広域予備率に応じた必要量の考え方も反映されています。

三次②は大幅な再エネ下振れへ備えて確保するため、必要量を全て使用することは少なく、一般的に使用率は小さくなるとEPRXは説明しています。使用率が低いことだけで不要な商品と判断せず、確保して待機する価値と、実際に指令で動いた電力量を分けて読みます。

06

設備発注前に、商品・回線・審査単位を固定する

OCCTOの制度整理では、三次調整力①・②とも最低入札量は1MW、入札量の刻みは1kWです。単体で1MWに届かない設備も、認められたリソース区分と方法でアグリゲートできる場合があります。ただし、設備を束ねれば自動的に参加できるわけではありません。

EPRXは三次調整力②と、三次調整力①・二次調整力②で異なる事前審査様式を公開しています。設備保有者、アグリゲーター、BG、PCS・EMSベンダー、通信事業者の間で、入札、指令受信、SOC管理、実績提出、アセスメント不適合時の負担を契約に落とします。

  • 三次①か三次②か、対象となる予測誤差
  • 15分以内・60分以内の応動をどこで測るか
  • 30分継続できる使用可能容量とSOC
  • 専用線か簡易指令システムか
  • 最低入札量1MWとアグリゲーション方法
  • 連系点・PCS・機器点の出力の違い
  • ΔkWと調整電力量の精算条件
  • JEPX・他商品と同じ余力を重ねていないか
  • アセスメント不適合時の費用負担

POINT

この記事のまとめ

三次調整力①はGC後の需要・再エネ予測誤差や電源脱落へ15分以内で対応し、三次調整力②はFIT特例制度①・③の再エネ予測誤差へ60分以内で対応します。どちらも30分継続、最低入札量1MWですが、①の上限価格は7.21円/ΔkW・30分、②は上限なしです。蓄電池の収益は単価だけでなく、SOC、約定率、調整電力量、充電費、劣化、通信・運用費、アセスメントまで商品別に分けて確認してください。

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本記事は各社・公的機関が公表した情報をもとに、一般的な検討ポイントを独自に整理・解説したものです。掲載組織との提携・推奨関係を示すものではなく、個別案件の設計・法令判断を代替しません。設備条件や最新制度は案件ごとにご確認ください。

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