電力広域的運営推進機関(OCCTO)は2026年9月16日、2027年度・2028年度の制度適用開始に向けた予備電源募集について、応札がなかったと公表しました。募集量は東エリア100万kW、西エリア68万kWの合計168万kWです。ただし、これは直ちに電力不足や停電、電気料金の上昇が決まったという発表ではありません。予備電源の役割、今回確保できなかった範囲、工場・倉庫・公共施設が次に確認したい情報を分けて整理します。最終確認日:2026年9月16日。
北海道・東北・東京
中部・北陸・関西・中国・四国・九州
新たな予備電源は確保されず
停電・料金上昇とは直結させない
対象は送電端10万kW以上の休止火力です。太陽光・風力・蓄電池を広く募集した結果ではありません。
東100万kW、西68万kWに応札がなかった
募集期間は2026年8月19日から9月15日まででした。OCCTOは締切翌日の9月16日、当募集への応札がなかったと公表しています。募集量は50Hzの東エリアが100万kW、60Hzの西エリアが68万kWで、合計168万kWです。
今回の発表は、審査後に落札電源がゼロだったという意味ではなく、応募する電源自体がなかったという内容です。したがって、この募集を通じて新たに維持される予備電源はありません。今後、国やOCCTOが供給力確保策をどう組み直すかが確認点になります。
予備電源は、普段から稼働する供給力ではない
予備電源制度は、大規模災害、需要の急増、想定外の市場退出などで追加の供給力が必要になった場合に備え、休止中の火力発電設備を一定期間内に立ち上げられる状態で維持する仕組みです。休止中は供給力として数えず、立ち上げが決まり稼働した段階で供給力になります。
今回の対象は、容量市場で不落札・未応札などの条件を満たす安定電源区分の火力発電設備で、立ち上げプロセスへ送電端10万kW以上で応札できることが要件です。太陽光、風力、蓄電池を広く募集した制度ではありません。
応札ゼロは重いが、直ちに停電を意味しない
今回の168万kWは、日常の需要を賄う電源をそのまま調達する枠ではなく、容量市場の外側で休止電源を維持する保険的な枠です。応札がなかったからといって、2027年度・2028年度の必要供給力が同じ量だけ不足すると単純計算することはできません。
実際の需給は、容量市場で確保した供給力、追加オークション、発電設備の補修時期、連系線を通じた融通、需要見通しなどを組み合わせて評価されます。工場の設備投資や電力契約を、この発表だけで急いで変更するのは早計です。
前年度は西で約136.5万kWを落札した
比較材料として、2025年度募集では東エリアに応札がなかった一方、西エリアでは2電源、合計136万4,985kWが落札されました。今回の募集では東西とも応札がなく、前年より対象電源の確保が難しくなった形です。
ただし、応札がなかった理由は今回の公表だけでは示されていません。対象となり得る休止電源の有無、維持費、立ち上げ条件、他制度との関係などを根拠なく断定せず、今後の検討会資料や追加対策を確認する必要があります。
工場・施設は、広域需給と自社BCPを分けて確認する
需要家がまず行うのは、予備電源制度へ直接対応することではありません。止められない負荷、時間をずらせる負荷、停止できる負荷を分け、非常用発電機、蓄電池、自家消費太陽光、受変電設備がどの範囲を支えられるかを確認します。
電力需給のニュースはBCPを点検するきっかけになりますが、設備容量は自社の最大需要電力、停電時に維持するkW、必要継続時間、燃料・SOC、切替方法から逆算します。広域の168万kWを自社の蓄電池容量へ置き換えることはできません。
- ✓直近12か月の30分値と最大需要電力
- ✓止められない設備のkWと必要継続時間
- ✓非常用発電機の燃料、起動、給油、点検
- ✓蓄電池の非常時SOCと平常時運用の両立
- ✓太陽光が停電時に自立運転できる構成か
- ✓受変電設備、切替盤、保護協調、定期試験
次に見るのは追加対策とエリア別の需給見通し
今後は、OCCTOと経済産業省が今回の応札ゼロをどう評価し、追加募集や別の供給力確保策を講じるかを確認します。あわせて、2027年度の供給予備率、容量市場の追加オークション、発電所の補修停止計画などをエリア別に追います。
料金への影響も、今回の結果だけでは断定できません。小売料金や容量拠出金への反映は別の制度・契約で決まるため、公式な制度決定や契約変更の通知を確認してから判断してください。
POINT
この記事のまとめ
OCCTOの2026年度予備電源募集は、東100万kW・西68万kWの合計168万kWに応札がありませんでした。重要な供給力ニュースですが、直ちに停電や料金上昇を意味するものではありません。需要家は追加対策とエリア別需給を追いながら、自社の負荷、非常用電源、蓄電池、太陽光、受変電設備を実データで点検してください。
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資料がすべて揃っていなくても、現在分かる範囲からご相談いただけます。参考にした一次情報
本記事は各社・公的機関が公表した情報をもとに、一般的な検討ポイントを独自に整理・解説したものです。掲載組織との提携・推奨関係を示すものではなく、個別案件の設計・法令判断を代替しません。設備条件や最新制度は案件ごとにご確認ください。
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