二次調整力①・②の違いとは?蓄電池の動きと収益を整理

二次調整力①・②の違いを、短周期・長周期、LFC・EDC信号、専用線・簡易指令、5分以内・30分、ΔkW上限価格、蓄電池のSOC管理から解説します。

二次調整力①と②は、どちらも5分以内に動いて30分継続する調整力ですが、追いかける変動と設備の動かし方が違います。①は短周期の変動や電源脱落にLFC信号で細かく追従し、②はゲートクローズ後の長周期の予測誤差にEDC信号で対応します。蓄電池の事業計画では、応動時間だけで同じ商品とみなさず、通信方式、SOC、指令追従、上限価格を分けて確認します。本記事は2026年8月28日時点の公表情報を基にしています。

SAME SPEED, DIFFERENT JOB二次①・②は、同じ5分でも役割と信号が違う2026年8月28日時点
二次① / 対象短周期・電源脱落

30分より短い変動を細かくならす

二次① / 制御LFC信号

専用線で0.5秒~数十秒間隔

二次② / 対象長周期の予測誤差

GC後に残った計画との差を埋める

二次② / 制御EDC信号

専用線または簡易指令システム

両商品とも応動5分以内・継続30分です。違いは速さだけではなく、何のずれを、どの信号と回線で調整するかにあります。

01

同じ5分商品でも、追いかける変動が違う

EPRXの商品説明では、二次調整力①は時間内変動の短周期成分と電源脱落など、二次調整力②はゲートクローズ後に生じる予測誤差の長周期成分に対応します。ゲートクローズは実需給の1時間前で、その後も需要・再エネ出力・発電設備の実績は計画からずれます。一般送配電事業者は、時間軸の異なるずれを複数の商品で埋めます。

両商品とも標準的な応動時間は5分以内、継続時間は30分です。2026年度から一次調整力三次調整力①は前日取引・30分商品となりました。ただし、応動時間と継続時間が同じだから設備要件も収益条件も同じ、とは限りません。

02

二次調整力①は、LFC信号へ細かく追従する

二次調整力①の英呼称はS-FRRです。中央給電指令所などから送られるLFC信号にオンラインで追従し、短周期の需給変動をならします。OCCTOの制度整理では、指令間隔は0.5秒~数十秒でエリアにより異なり、回線は専用線です。供出可能量は、5分以内に出力を変えられる量のうち、設備性能上のLFC幅が上限になります。

制度表上、二次調整力①は並列が必須です。蓄電池なら、約定時間に系統へ接続し、信号に合わせて放電出力を増減できる状態を維持します。単に5分後に所定出力へ到達するだけでなく、途中の細かな信号に追従できるPCS・EMS・計測・通信が必要です。

03

二次調整力②は、長周期の予測誤差をEDC信号で埋める

二次調整力②の英呼称はFRRです。需要や再エネ出力などの予測誤差のうち、比較的ゆっくり続く長周期成分へ対応します。制御はオンラインのEDC信号で、専用線または簡易指令システムを使用できます。OCCTO資料では、専用線の指令間隔は数秒~数分、簡易指令は5分です。

二次調整力②も5分以内に応動し、30分継続しますが、二次①のように短い間隔のLFC信号を追い続ける商品ではありません。制度表上は並列が任意とされ、通信方式にも選択肢があります。参加可否は接続形態とリソース区分、属地TSOの事前審査で確認します。

BUSINESS CHECK同じ設備でも、商品別に収益前提を分ける
共通要件5分 / 30分

最低入札量1MW、入札量は1kW刻み

二次① 上限10.00円

2026年9月1日実需給分から

二次② 上限7.21円

円/ΔkW・30分、当面継続

共通の確認ΔkW+kWh

待機能力と実際の調整電力量を分ける

上限価格は約定単価や売上の保証ではありません。回線費、SOC維持、効率、劣化、手数料、アセスメントを含めて手取りを比較します。

04

蓄電池は、指令の速さに合わせてSOCを使う

需給調整市場で現在取引されるのは上げ調整力です。蓄電池は電気が不足する方向の信号に対し、放電を増やすか、充電中であれば充電電力を減らします。二次①では細かなLFC信号へ連続的に追従し、二次②ではEDC信号が求める出力へ動きます。どちらも、約定した30分コマで必要な指令へ追従できるSOCと使用可能容量を確保します。

同じ1MWを応札しても、必要な電池容量は指令の発生頻度、充放電の向き、基準値、効率、劣化、補機電力、運用上のSOC上下限で変わります。PCS定格が1MWあることと、連系点で1MWを30分供出できることは同じではありません。設備設計では、指令値をどこで受け、どの測定点で応動を判定するかまで確認します。

05

上限価格は①が10円、②が7.21円へ

2026年8月28日時点では、二次調整力①のΔkW上限価格は15.00円/ΔkW・30分で、2026年9月1日の実需給分から10.00円へ変更されます。二次調整力②は7.21円/ΔkW・30分で、当面継続されます。いずれも応札・約定価格の上限であり、この価格で必ず約定する制度ではありません。

上限価格だけを比べて、二次①の方が必ず有利とは判断できません。実際の手取りは約定量・約定率、調整電力量、専用線や簡易指令の費用、SOC維持の充電費、効率、劣化、アグリゲーター手数料、アセスメントで変わります。二次①と②で同じ通信費・運用費を置かず、商品ごとの費用を分けて試算します。

06

設備発注前に、信号・回線・審査単位を決める

OCCTOの制度整理では、二次調整力①・②とも最低入札量は1MW、入札量の刻みは1kWです。単体で最低量へ届かない設備は、認められたリソース区分と方法でアグリゲートする選択肢があります。2026年度から機器個別計測や低圧リソース参入も制度化されていますが、設備をまとめれば自動的に参加できるわけではありません。

EPRXは二次調整力①、二次調整力②について、単独発電機、発電機リスト・パターン、需要家リスト・パターン、ネガポジリスト・パターン別の事前審査様式を公開しています。設備保有者、アグリゲーター、BG、PCS・EMSベンダー、通信事業者の間で、入札、指令受信、SOC管理、実績提出、アセスメント不適合時の負担を契約に落とします。

  • 二次①のLFC信号か、二次②のEDC信号か
  • 専用線か簡易指令システムか
  • 5分以内の応動をどの測定点で判定するか
  • 30分継続できる使用可能容量とSOC
  • 最低入札量1MWとアグリゲーション方法
  • 連系点・PCS・機器点の出力の違い
  • ΔkWと調整電力量の精算条件
  • アセスメント不適合時の費用負担

POINT

この記事のまとめ

二次調整力①と②は、どちらも5分以内に応動し30分継続しますが、①は短周期変動・電源脱落へLFC信号と専用線で追従し、②は長周期の予測誤差へEDC信号で対応します。蓄電池は指令に合わせて放電・充電抑制を行い、SOCと出力余力を確保します。事業性評価では、①の上限10円、②の7.21円だけでなく、通信方式、約定率、充電費、劣化、手数料、アセスメントまで商品別に分けてください。

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本記事は各社・公的機関が公表した情報をもとに、一般的な検討ポイントを独自に整理・解説したものです。掲載組織との提携・推奨関係を示すものではなく、個別案件の設計・法令判断を代替しません。設備条件や最新制度は案件ごとにご確認ください。

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