JEPX週間平均22.63円、直近52週で最高|エリア差と夕方高値を読む

2026年8月22~28日のJEPX週間平均は22.63円/kWh、取引量は9.514TWhで、いずれも直近52週の最高値。日別推移、エリア価格差、企業の電力調達と系統用蓄電池への影響を一次データから解説します。

2026年8月22~28日のJEPXスポット市場は、システムプライスの週間単純平均が22.63円/kWhとなり、前週の19.02円から3.61円上昇しました。週間の約定総量は9.514TWhです。JEPXが公表する30分値を土曜から金曜までの7日間で集計すると、価格、取引量ともに直近52週で最も高い週でした。ただし、全国平均だけでは実務判断に足りません。8月26日には中部から九州までの6エリアで55.23円/kWh、8月28日には東京と北海道の差が最大27.95円/kWhとなっています。電力調達や蓄電池運用では、接続エリアと30分ごとの負荷・充放電を重ねて確認する必要があります。本記事は2026年8月28日時点の公表データを基にしています。

7-DAY PRICE CURVEJEPXシステムプライスの日平均2026年8月22~28日/円・kWh
8.2219.15
8.2316.59
8.2422.31
8.2525.18
8.2625.73
8.2725.21
8.2824.27

JEPX公表の30分値を日ごとに単純平均。週間平均は22.63円/kWh、前週は19.02円/kWhでした。

01

週間平均22.63円、約定総量9.514TWhはいずれも52週最高

JEPXの30分値336コマを単純平均すると、8月22~28日のシステムプライスは22.63円/kWhでした。前週8月15~21日の19.02円/kWhと比べて3.61円、率にして約19%高い水準です。約定総量は7日間の合計で9.514TWhでした。

比較は、2025年8月30日~9月5日の週から2026年8月22~28日の週まで、土曜始まり・金曜終わりの52期間を同じ方法で集計しています。今週は価格、約定総量ともに52期間中1位でした。市場の集計期間や加重平均・単純平均の違いで数値は変わるため、収支モデルへ入れるときは計算方法を残してください。

02

日平均は週末から平日に切り上がった

日平均は、22日が19.15円/kWh、23日が16.59円、24日が22.31円、25日が25.18円、26日が25.73円、27日が25.21円、28日が24.27円でした。週平均の上昇は一つの高値コマだけでなく、24日以降の日平均が22円を超えたことで形成されています。

8月26日のシステムプライスは16時30分から17時までに50.01円/kWhを付けました。週間336コマのうち、システムプライスが30円以上だったのは61コマ、45円以上は11コマ、50円以上は6コマです。一方、23日9時から9時30分の週間最安値は9.43円/kWhでした。高値と安値は存在しますが、その全てを需要家や蓄電池が同じ条件で利用できるわけではありません。

03

全国平均より、エリアと時間帯の組み合わせを見る

週間のエリアプライス単純平均は、北海道16.74円/kWh、東北18.20円、東京23.73円、中部24.68円、北陸24.15円、関西23.85円、中国21.56円、四国21.37円、九州19.78円でした。全国のシステムプライス22.63円だけを使うと、実際に連系・使用するエリアの価格を取り違える可能性があります。

8月26日17時から17時30分には、中部・北陸・関西・中国・四国・九州が55.23円/kWhとなり、同じコマの東京は50.00円、北海道・東北は35.00円でした。8月28日14時30分から15時には、東京・中部・北陸・関西が30.95円に対し、北海道は3.00円で、エリア差は27.95円まで拡大しました。高値が全国一律に発生したと捉えず、接続地点ごとの30分値を使います。

MARKET CHECK全国平均だけで判断しないJEPX公表データを再集計
週間平均22.63円/kWh

前週比+3.61円、約19%上昇

約定総量9.514 TWh

価格・取引量とも直近52週で1位

夕方16~20時33.81円/kWh

週間の時間帯別単純平均

最大エリア差27.95円/kWh

8月28日14:30、東京-北海道

52週比較は土曜~金曜の336コマを同じ方法で集計。設備・契約の評価では、接続エリアと30分値を使います。

04

市場連動契約は、価格と使用量を30分単位で重ねる

企業の電気料金への影響は、JEPXの週間平均を使用電力量へ掛けるだけでは分かりません。市場連動型でも、システムプライスかエリアプライスか、30分値か月平均か、手数料・上限・調整項目をどう扱うかは契約ごとに異なります。固定単価契約でも、市場価格調整などの条項や更新時の見積条件を確認します。

実務では、料金算定表と30分ごとの使用量を用意し、該当エリアの価格を同じコマへ掛け合わせます。16~20時のシステムプライス週間平均は33.81円/kWhで、0~6時の18.97円、6~12時の18.72円より高い結果でした。夕方の負荷が大きい施設は、日平均や月間使用量だけでなく、その時間帯にどの設備が動いているかを確認してください。

  • 料金メニューで参照する市場とエリア
  • 30分値・日平均・月平均のどれを使うか
  • 市場価格調整、上限、手数料、その他の調整項目
  • 30分ごとの使用量と夕方の主要負荷
  • 契約終了日、更新通知期限、次回見積の前提
05

系統用蓄電池は、52週最高を年間前提に置かない

価格差は系統用蓄電池のJEPX収益機会になりますが、週間最高値と最安値の差を、そのまま利益へ置くことはできません。接続エリアの価格、充電できるコマ、放電継続時間、連系点出力、SOC、充放電効率、補機電力、劣化、売買・アグリゲーター費用を反映します。

また、需給調整市場へ提供する出力余力や容量市場の供給力と、JEPXの充放電を同じ時間に最大値で重ねることはできません。直近52週で最も高い一週間は上振れケースの材料にはなりますが、年間ベースケースでは平常週、低価格差週、約定できない時間、停止・劣化も含めます。案件販売時の収益シミュレーションは、どの期間の価格を使い、外れ値をどう扱ったかまで確認してください。

06

数字から分かることと、分からないことを分ける

JEPXの公表データから確認できるのは、30分ごとの入札量、約定量、システムプライス、エリアプライスです。今回の集計だけで、個々の発電所の停止、燃料価格、気温、連系線制約など、価格形成の原因を一つに特定することはできません。原因分析には、発電情報、需給実績、連系線利用、燃料指標、気象など別の一次資料が必要です。

事業判断で先に使えるのは、原因の推測ではなく、自社の契約・負荷・設備条件との照合です。需要家は料金算定と30分値、蓄電所は接続エリアと実際の充放電可能量、FIP発電所は売電価格と参照価格・プレミアムの精算条件を確認し、同じ市場データでも立場ごとに収益・費用へ置き換えてください。

POINT

この記事のまとめ

8月22~28日のJEPXシステムプライス週間平均22.63円/kWhと約定総量9.514TWhは、同じ土曜~金曜の区切りで比較した直近52週の最高値でした。ただし、エリア平均は北海道16.74円から中部24.68円まで差があり、30分単位では最大27.95円の地域差も生じています。需要家は契約の算定式と使用量、蓄電所は接続エリア、SOC、効率、劣化、他市場との時間配分を重ねてください。一週間の上振れを年間の標準収益として固定しないことが重要です。

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本記事は各社・公的機関が公表した情報をもとに、一般的な検討ポイントを独自に整理・解説したものです。掲載組織との提携・推奨関係を示すものではなく、個別案件の設計・法令判断を代替しません。設備条件や最新制度は案件ごとにご確認ください。

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