2026年8月26日受渡分のJEPXスポット市場は、システムプライスの日平均が25.73円/kWh、最高50.01円/kWh、最低17.11円/kWhでした。卸市場としては高い水準ですが、この25.73円がそのまま工場や倉庫の請求単価になるわけではありません。影響の大きさは、電力契約の料金算定方法と、電気を使う時間帯によって変わります。本記事では、今回の価格をどう読み、自社の電気料金をどこから確認すればよいかを整理します。2026年8月28日時点の公表情報を基にしています。
JEPXの2025年度事業報告書に掲載されたスポット取引の年度平均です。2022年度の20.38円をピークに低下しましたが、2026年8月26日の日平均は25.73円まで上昇しました。年度平均と特定1日の価格は同じ条件では比較できません。
JEPXは2022年度の高騰後も変動が続く
JEPXのスポット取引の年度平均価格は、2020年度11.20円/kWh、2021年度13.45円/kWh、2022年度20.38円/kWh、2023年度10.74円/kWh、2024年度12.31円/kWh、2025年度11.08円/kWhでした。2022年度に大きく上昇し、その後は低下したものの、年度による振れは小さくありません。
今回の25.73円/kWhは年度平均ではなく、2026年8月26日の1日平均です。6月15日の日平均15.94円/kWhと比べると約61%高い水準でした。特定2日の比較であり年間の傾向を示すものではありませんが、足元の調達環境が厳しくなっていることは読み取れます。
25.73円は卸価格。請求単価とは別の数字
JEPXのスポット市場は、翌日に受け渡す電気を30分単位で取引する卸市場です。8月26日の25.73円/kWhは、その日のシステムプライス平均であり、工場や倉庫が小売電気事業者へ支払う単価ではありません。
小売電気事業者は、JEPXだけでなく相対契約や自社電源などを組み合わせて電気を調達します。需要家の請求額には、基本料金、電力量料金、契約ごとの調整項目、再エネ賦課金、消費税などが含まれます。そのため、JEPX価格へ一定額を足すだけで請求単価を求めることはできません。
電気代への影響は契約によって変わる
市場連動型の料金では、JEPXのシステムプライスやエリアプライスが算定に使われます。ただし、30分値を使うのか月平均を使うのか、上限や手数料があるのかは契約ごとに異なります。電気を多く使う時間と市場価格が高い時間が重なる施設ほど、影響が大きくなる場合があります。
固定単価型は、JEPXが上がった日に請求単価が同じ割合で上がる契約ではありません。一方で、燃料費調整や市場価格調整などが別に設けられている場合があります。契約期間中の影響が限定的でも、契約更新時の見積単価へ調達環境が反映される可能性があります。
契約電力や最大需要電力などを基に算定
使用量と契約上の単価・算定式を反映
燃料費・市場価格・調達費など。契約で異なる
再エネ賦課金や消費税など
市場連動型でも固定単価型でも、名称と算定方法は料金メニューごとに異なります。請求書と料金算定表をセットで確認してください。
電気料金の年間推移は、総額だけで比べない
自社への影響を確認するときは、直近12〜24か月の電気料金明細を並べます。見る項目は、使用電力量、最大需要電力、基本料金、電力量料金、燃料費・市場価格等の調整額、再エネ賦課金、支援による値引きです。
請求総額が増えていても、原因が単価上昇とは限りません。生産量や稼働時間が増えて使用電力量が伸びた可能性もあります。総額、使用量、1kWh当たりの実質負担、最大需要電力を分けると、値上がりの原因が見えやすくなります。
- ✓直近12〜24か月の電気料金明細
- ✓電力契約書または料金メニュー
- ✓30分ごとの使用電力量
- ✓契約電力と最大需要電力
- ✓契約終了日と更新通知期限
今できる対策は、契約・負荷・設備の三つに分ける
まず契約の算定方法を確認し、市場価格がどこへ反映されるかを把握します。次に30分値を見て、高価格になりやすい時間帯の使用量や、ピークが発生する設備を確認します。操業時間を動かせる場合は、負荷の移動も選択肢になります。
設備面では、自家消費太陽光によって昼間の購入電力量を減らす方法や、蓄電池でピークや時間帯を調整する方法があります。ただし、JEPXの25.73円/kWhをそのまま削減価値へ置かず、実際に回避できる料金項目、発電と需要が重なる時間、充放電損失、設備費を含めて判断します。
電気料金の動向を見ながら、設備対策も選択肢に
卸市場の上昇が、すべての企業へ同じ速さ・同じ大きさで波及するわけではありません。それでも、市場連動型の影響や固定契約の更新、電力使用時間の偏りを確認するにはよいタイミングです。今後もJEPXや燃料価格、料金メニューの変更を継続して確認し、自社の請求額が何によって動いているのかを把握しておく必要があります。
そのうえで、契約の見直しや負荷調整だけでなく、自家消費太陽光で昼間の購入電力量を減らす方法や、蓄電池でピークや使用時間帯を調整する方法も検討対象になります。電気料金明細、契約内容、30分値をそろえ、自社の使い方に合う対策かどうかを具体的に比較していきましょう。
POINT
この記事のまとめ
JEPXの25.73円/kWhは卸市場の1日平均で、企業の請求単価そのものではありません。影響は料金メニューと使用時間によって異なります。電気料金の動向を継続して確認しながら、直近12〜24か月の明細、契約書、30分値を基に、自家消費太陽光や蓄電池を含む対策を比較していきましょう。
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