2026年8月26日受渡分のJEPXスポット市場は、システムプライス平均が25.73円/kWh、最高50.01円/kWh、最低17.11円/kWhでした。価格差が大きい日は、系統用蓄電池で安い時間に充電し、高い時間に放電する運用が注目されます。ただし、画面上の最高値と最低値の差を、そのまま蓄電池の利益にはできません。充放電できる時間、変換損失、劣化、予測誤差、インバランス、市場手数料を引いた後に初めて事業性を判断できます。本記事は2026年8月28日時点の公表情報を基に整理しています。
8月26日は平均25.73円/kWh、値幅は32.90円/kWh
JEPXが公表した8月26日受渡分は、1日平均25.73円/kWh、最高50.01円/kWh、最低17.11円/kWhでした。単純な最高値と最低値の差は32.90円/kWhです。これは当日の市場の振れ幅であり、蓄電池が確実に獲得できる利幅ではありません。
充電と放電はそれぞれ30分単位の市場価格、蓄電残量、出力上限、必要な継続時間に制約されます。最高値の1コマだけへ全量を放電できるとは限らず、最低値の時間に必要量を充電できるとも限りません。
価格差運用の粗利は、売値から買値を引くだけではない
放電1kWhを得るためには、充放電効率を考慮して1kWhより多い電力量を購入します。さらにPCS・空調などの補機電力、託送や市場に関する費用、アグリゲーター報酬、電池劣化の費用を見ます。
試算では、①充電コスト、②放電売上、③充放電損失、④運用・市場費用、⑤サイクル増加による劣化、⑥予測と実績のずれ、を別行にします。過去の高価格日だけで年間収支を作らず、平常日と低価格差の日も含めた複数ケースが必要です。
需給調整市場とスポット取引は、同じ時間の設備を取り合う
需給調整市場へ容量を提供している時間は、指令へ応動できる出力と残量を確保する必要があります。一方、スポット市場の価格差を取りに行けば、蓄電残量や充放電回数が変わります。両方の売上を最大値で同時に積み上げることはできません。
運用計画では、どの市場を優先するか、切り替え条件は何か、同じkW・kWhを二重計上していないかを30分単位で確認します。需給調整市場頼みから複数市場へ広げることは合理的でも、収益源を足すだけでなく設備の競合を差し引く必要があります。
事業者へ確認したい5つの運用前提
収益予測の説明を受ける際は、価格の予測方法と更新頻度、充放電効率の扱い、劣化費の置き方、各市場へ割り当てる優先順位、収益下振れ時の責任分担を確認します。市場価格を保証する仕組みではないため、ベース・上振れ・下振れの感度分析が欠かせません。
- ✓30分単位の充放電計画とSOC下限・上限
- ✓最高・最低価格ではなく実際の約定想定
- ✓充放電損失、補機電力、劣化費
- ✓需給調整市場とスポット市場の時間配分
- ✓価格差が縮小した場合の返済余力
工場の自家消費用蓄電池とは判断軸が異なる
系統用蓄電池は市場取引を主目的とする事業です。工場・倉庫の自家消費用蓄電池は、契約電力の抑制、太陽光余剰の活用、停電時の負荷維持などが主な目的で、市場価格差だけで容量を決めません。
同じ蓄電池でも、接続点、契約、制御、収益・便益の評価方法は異なります。市場ニュースを自社設備の投資効果へ直結させず、用途別に試算してください。
POINT
この記事のまとめ
8月26日の価格差は、系統用蓄電池にスポット市場運用の機会があることを示しますが、32.90円/kWhをそのまま利益にはできません。30分単位の実運用、損失、劣化、費用、他市場との競合を差し引き、複数の価格シナリオで判断することが重要です。
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ピーク対策、太陽光連携、BCP、系統用蓄電所などの目的を確認し、必要な出力・容量・制御方法を整理します。計画に合わせて、詳細設計まで対応します。
資料がすべて揃っていなくても、現在分かる範囲からご相談いただけます。参考にした一次情報
本記事は各社・公的機関が公表した情報をもとに、一般的な検討ポイントを独自に整理・解説したものです。掲載組織との提携・推奨関係を示すものではなく、個別案件の設計・法令判断を代替しません。設備条件や最新制度は案件ごとにご確認ください。
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