東北ヒロセ電機は2026年10月1日、岩手県宮古市の宮古工場へオフサイト型コーポレートPPAを導入しました。宮城県・福島県にある太陽光発電所6地点、合計定格出力267.3kWで発電した電力を、東北電力が同日から20年間供給します。年間約220トンのCO2排出量削減は発表各社の見込みです。発電量、工場需要に占める供給比率、料金条件は公表されていません。

誰が、どこへ、何を供給するのか
需要家はコネクターなどを製造する東北ヒロセ電機、供給先は岩手県宮古市の宮古工場です。東北電力が小売電気事業者として、需要地から離れた太陽光発電所の再エネ由来電力を一般送配電事業者の系統ネットワーク経由で供給します。
電源は宮城県と福島県に分散する計6地点で、合計定格出力は267.3kWです。供給期間は2026年10月1日から20年間。6地点の所在地別容量、運転開始時期、想定年間発電量は公表されていません。
| 項目 | 公表内容 |
|---|---|
| 需要家・供給先 | 東北ヒロセ電機 宮古工場(岩手県宮古市) |
| 小売供給 | 東北電力 |
| 電源 | 宮城県・福島県の太陽光発電所6地点 |
| 合計定格出力 | 267.3kW |
| 供給期間 | 2026年10月1日から20年間 |
| 削減見込み | 年間約220t-CO2(発表各社の試算) |
小規模な電源を束ね、離れた工場へ長期供給する
今回の特徴は、一つの大規模発電所ではなく、宮城・福島の6地点を束ねて一つの製造拠点へ供給する点です。需要地と同じ敷地にパネルを載せるオンサイトPPAと異なり、屋根面積や構造上の制約を受けにくい一方、系統利用、小売供給、環境価値の管理を含む契約になります。
複数電源を組み合わせることは、開発可能な土地を分散して確保する選択肢になります。ただし、6地点だから発電変動や停止リスクが自動的に解消されるとは限りません。電源ごとの発電量、停止時の代替調達、環境価値の割当てを契約で確認する必要があります。
オンサイトPPAからオフサイトPPAへ調達手段を広げた
ヒロセ電機グループは、一関ヒロセ電機と郡山ヒロセ電機の国内製造拠点でオンサイトPPAによる太陽光導入を進めてきました。今回の発表によれば、グループとしてオフサイトPPAを導入するのは初めてです。
製造業では、まず屋根や敷地へ設置できる分をオンサイトで調達し、残る需要をオフサイト電源や非化石証書などで補う組み合わせがあります。どの手段を先に選ぶかは、30分需要、屋根改修時期、受変電設備、再エネ目標、契約期間を同じ時間軸で比較して決めます。
年間220トン削減は、発表時点の試算
発表各社は、環境省・経済産業省の2024年度実績に基づく東北電力のメニューD(残差)の基礎・調整後排出係数0.000421t-CO2/kWhを使い、年間約220トンの削減を見込んでいます。これは将来の実績を保証する数値ではありません。
発電量や工場使用量、損失、排出係数、環境価値の計上方法が変われば結果も変わります。対外開示では、契約容量だけでなく、実際に供給された電力量、対象期間、適用した排出係数、環境価値の証跡を保存します。
同様の案件で需要家が契約前に確認すること
今回の発表では、PPA単価、供給量の工場需要に対する比率、発電不足・余剰時の扱い、料金改定、中途解約条件は示されていません。同じ形の調達を検討する需要家は、容量と削減見込みだけでなく、20年間の操業計画と契約条件を照合します。
- ✓電源別の所在地、容量、運転開始日、追加性
- ✓想定年間発電量と工場の30分需要との重なり
- ✓不足・余剰電力の調達、精算、環境価値の帰属
- ✓電源停止、発電事業者変更、制度変更時の扱い
- ✓料金改定、工場移転・閉鎖、中途解約の条件
- ✓供給実績と排出削減を確認する証跡
POINT
この記事のまとめ
東北ヒロセ電機は、宮城・福島の太陽光6地点、合計267.3kWを束ね、東北電力から宮古工場へ20年間供給を受けるオフサイトPPAを開始しました。分散した小規模電源を一つの需要拠点へ届ける構成と、オンサイトPPAから調達手段を広げた点が特徴です。料金、供給比率、電源別の詳細は未公表です。
参考にした一次情報
本記事は各社・公的機関が公表した情報をもとに、一般的な検討ポイントを独自に整理・解説したものです。掲載組織との提携・推奨関係を示すものではなく、個別案件の設計・法令判断を代替しません。設備条件や最新制度は案件ごとにご確認ください。
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