グリーングロースは2026年10月2日、同社がFIP転換・運用を支援する太陽光発電所に由来する『非FIT非化石証書(再エネ指定あり)』について、小売電気事業者との相対取引を開始したと発表しました。取引先は非公開で、証書発行後に月次で口座移転します。取引量、価格、対象発電所、契約期間は公表されていません。JEPX市場の入札を介さず、複数電源の環境価値を集約して需要側へ移す流通機能を打ち出した点が今回の新しさです。

発表された取引の事実
証書供給者はグリーングロース、取引先は非公開の小売電気事業者です。対象はFIP太陽光発電所由来の非FIT非化石証書(再エネ指定あり)で、取引形態はJEPX市場を介さない相対取引、供給方法は証書発行後の月次口座移転とされています。
同社は、FIP転換や運用を支援する発電所から環境価値を集約し、移転・精算まで担うと説明しています。ただし、発表だけでは証書量、単価、発電所数、発電開始時期、トラッキング属性、契約年数を確認できません。これらを推測で補わないことが重要です。
| 項目 | 公表内容 |
|---|---|
| 証書 | FIP太陽光由来の非FIT非化石証書(再エネ指定あり) |
| 取引先 | 小売電気事業者(社名非公表) |
| 取引方法 | JEPX市場を介さない相対取引 |
| 移転 | 証書発行後、月次で順次口座移転 |
| 未公表 | 価格、数量、対象発電所、契約期間 |
FIPでは電気と環境価値を別に販売できる
FIP電源の発電者は、卸電力市場などで電気を販売する収入に加え、発電に伴う非化石価値を非FIT非化石証書として販売できます。環境価値は電気の受け渡しと同じ契約で扱う場合も、証書として別に移転する場合もあります。
今回の取引は証書単体の流通です。証書を購入したことだけで、特定の太陽光発電所から需要施設へ物理的に電気が届くわけではありません。小売契約、電力メニュー、証書の割当てを分けて理解する必要があります。
相対取引は、電源属性と数量を契約で合わせやすい
JEPXの非化石価値取引システムでは、非FITの認定量を市場外で相対販売し、販売先の会員番号を指定して移転できます。市場の入札日程を待たず、売り手と買い手が電源属性、数量、移転時期などを契約で定められるのが相対取引の特徴です。
一方、相対だから自動的に需要家の目的へ適合するわけではありません。再エネ指定、設備ID・発電地、発電期間、証書化と使用先への割当て、取消し・再販売の制限、報告制度での利用可否を確認します。
需要家・小売が契約前に確認したい項目
需要家が電力メニューを通じて環境価値を受け取る場合は、どの証書を何kWh割り当てるか、対象期間と需要場所、未達時の補充方法、証書発行・移転の証跡を確認します。月次移転でも、発電月と需要月が一致するとは限らないため、時間単位・月単位・年度単位のどの基準で管理するかを明確にします。
RE100、SBT、温対法などは目的と適用条件が異なります。『再エネ指定あり』だけで自社の報告要件を満たすと断定せず、最新の算定・報告ルールと監査資料を確認してください。
- ✓証書の種類と再エネ指定
- ✓発電所・設備ID・発電期間
- ✓契約数量と月次の移転計画
- ✓需要場所への割当て方法
- ✓不足・遅延時の補充と精算
- ✓証書・口座履歴・請求の保存
業界への意味|FIP転換後の収益源を束ねる動き
編集部では、単独の発電所では量や事務負担の面で取り扱いにくい環境価値を集約し、小売へ定期的に移転する仕組みが、FIP転換後の収益管理を支える動きと見ています。証書の販売先を確保できれば、発電者は卸電力・プレミアムとは別の収入機会を持てます。
ただし、今回の発表だけで収益改善幅や需要家の調達コストは分かりません。対象電源の追加性、トラッキング、価格条件、取引量、電力との組合せを確認して初めて、他の証書調達やPPAと比較できます。
POINT
この記事のまとめ
グリーングロースは、FIP太陽光由来の非FIT非化石証書を非公開の小売電気事業者へ相対販売し、証書発行後に月次で口座移転する取引を始めました。環境価値の集約・流通が具体化する一方、価格、数量、電源属性、契約期間は未公表です。
参考にした一次情報
本記事は各社・公的機関が公表した情報をもとに、一般的な検討ポイントを独自に整理・解説したものです。掲載組織との提携・推奨関係を示すものではなく、個別案件の設計・法令判断を代替しません。設備条件や最新制度は案件ごとにご確認ください。
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