UPDATERは2026年10月2日、台湾のNatural Power Company Ltd.(NPC)と、再エネ調達の透明性やアワリーマッチングに関する協業覚書を9月1日付で締結したと発表しました。NPCの台湾における再エネ調達・コーポレートPPAの知見と、UPDATERの30分単位の電力トラッキング技術を組み合わせ、日台企業向けの調達・証明や共同サービスを検討します。現時点ではMOUであり、具体的な顧客、開始時期、料金、削減効果は公表されていません。

9月1日にMOU、発表は10月2日
発表によると、NPCは台湾で再エネ小売、コーポレートPPA、法人向けエネルギーサービスなどを展開し、再エネ電力の契約量は累計10億kWh超としています。UPDATERは発電量と使用量を30分単位で管理する電力トラッキング技術を提供します。
協業項目には、台湾拠点を持つ企業の再エネ調達・証明、NPCの調達網へのトラッキング技術の適用、パイロットプロジェクト、AIを用いた調達設計、国際的な枠組みへの対応が挙げられています。ただし、いずれも今後の協議や共同開発を含む計画段階です。
| 項目 | 公表内容 | 未公表・未確定 |
|---|---|---|
| 締結日 | 2026年9月1日 | ― |
| 発表日 | 2026年10月2日 | ― |
| 役割 | NPCの調達・PPA知見とUPDATERの追跡技術 | 案件ごとの契約主体・責任分担 |
| 対象 | 日本・台湾・アジア市場を想定 | 顧客、電源、開始時期、価格 |
| 段階 | 戦略的協業覚書 | 具体案件は別途合意 |
再エネ調達を『年間量』から『時間と場所』へ
アワリーマッチングは、企業が電気を使った時間と、再エネが発電した時間を細かい単位で照合する考え方です。UPDATERの発表は30分単位の管理を掲げています。これは特定の電子が発電所から需要家へ届いたことを示す仕組みではなく、計量データと契約上の割当てを突き合わせるものです。
GHGプロトコルのScope 2改定では、時間単位の照合と、需要地点へ供給可能な範囲を問うdeliverabilityが提案されています。一方、改定内容は確定済みの義務ではなく、免除基準、既存契約の経過措置、段階導入も検討されています。今回のMOUを、現時点で新しい算定基準への適合保証と見ることはできません。
海外拠点を持つ企業が確認したいデータ条件
日本本社と台湾拠点で同じ方針を使うには、拠点の電力使用量、電源別の発電量、証書・契約の識別情報、時間帯、地域境界を整合させる必要があります。国ごとに電力市場、計量、証書、PPAの制度が異なるため、同じダッシュボードを使うだけでは調達証明はそろいません。
サービスが具体化した場合は、時間粒度、欠測補完、データ保存期間、第三者確認、証書の二重計上防止、費用、契約終了後のデータ利用を確認する必要があります。今回の発表では、これらの詳細条件は示されていません。
- ✓需要・発電データの時間粒度
- ✓電源と証書の識別・償却方法
- ✓地域境界とdeliverabilityの扱い
- ✓欠測・修正・監査証跡
- ✓料金、契約期間、データの帰属
業界への意味|調達と証明を同時に設計する動き
今回の協業は、再エネ電力を確保する事業者と、時間・電源を追跡する技術事業者が組み、調達と証明を一体で設計しようとする動きです。サプライチェーンから再エネ利用の説明を求められる製造業にとっては、価格や年間再エネ比率に加え、元データと証跡をどこまで揃えられるかが比較項目になります。
ただしMOUは事業開始や成果を意味しません。パイロットの対象、実装時期、採用企業、契約条件が公表された段階で、実務上の利用可能性を改めて評価する必要があります。
POINT
この記事のまとめ
UPDATERとNPCのMOUは、台湾での再エネ調達・PPAと30分単位の電力トラッキングを組み合わせる構想です。具体案件や料金は未公表であり、調達・証明の条件とScope 2改定の確定内容を分けて追う必要があります。
参考にした一次情報
本記事は各社・公的機関が公表した情報をもとに、一般的な検討ポイントを独自に整理・解説したものです。掲載組織との提携・推奨関係を示すものではなく、個別案件の設計・法令判断を代替しません。設備条件や最新制度は案件ごとにご確認ください。
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