電通グループは2026年10月6日、地域電力およびJDCグリーンエナジーと、それぞれバーチャルPPAを締結したと発表しました。対象は計1,245.5kWの新設太陽光で、年間約200万kWhの環境価値を国内拠点へ割り当てる計画です。発表によると、うち445.5kWは耕作放棄地を再活用する営農型太陽光9か所です。

2電源で年間約200万kWhの環境価値を調達
地域電力との契約は800kWで2027年5月、JDCグリーンエナジーとの契約は445.5kWで2027年1月の運転開始を予定しています。想定年間発電量はいずれも約100万kWhです。合計約200万kWhは、電通グループ全体の2025年使用電力量の約3.2%に相当すると説明されています。
年間約850tのCO2削減効果、発電量、運転開始時期はいずれも発表時点の見込みです。実績値や契約単価、期間、各拠点への割当量は公表されていません。
| 契約先 | 容量 | 運転開始予定 | 年間想定発電量 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 地域電力 | 800kW | 2027年5月 | 約100万kWh | 新設太陽光 |
| JDCグリーンエナジー | 445.5kW | 2027年1月 | 約100万kWh | 営農型太陽光9か所 |
電気の供給契約とは別に、環境価値を長期購入
バーチャルPPAでは、対象発電所の電気を需要家拠点へ物理的に届けるのではなく、発電にひも付く環境価値を長期契約で取得します。電通グループは、デジタルグリッドの取引スキームを利用するとしています。
このため、需要家は通常の電力購入契約と、バーチャルPPAの環境価値・差金決済を分けて管理します。『PPAを結んだので購入電力も同じ発電所から届く』という説明にはなりません。
新設電源と営農型発電所を組み合わせた
2件はいずれも新設設備を対象とし、需要家の長期調達が新しい再エネ設備を支える追加性を特徴としています。445.5kWの案件には、太陽光パネルの下で榊を栽培する営農型太陽光9か所が含まれます。
ただし、各発電所の所在地、農地転用・一時転用の状況、設備ごとの容量、営農計画、発電実績は発表で示されていません。地域貢献や農地活用を社外説明に使う場合は、電源単位の根拠と運転後の実績を確認します。
同様のVPPAで契約前に確認したいこと
需要家にとって、環境価値を長期確保できることと、総調達費が下がることは別の論点です。通常の電力料金に加え、契約価格と市場価格の差額、証書の移転・取消し、発電不足、運転開始遅延を誰が負うかを確認します。
- ✓対象発電所、運転開始日、FIT・FIP・非FITなどの制度区分
- ✓環境価値の種類、発行・移転・取消し、対象年度
- ✓固定価格と参照市場価格、差金決済の方向・上限・頻度
- ✓発電不足、出力抑制、運転開始遅延時の補完と精算
- ✓契約期間、中途解約、組織再編・拠点移転時の扱い
- ✓Scope 2、RE100、国内制度ごとの報告要件と証跡
POINT
この記事のまとめ
電通グループは、新設太陽光計1,245.5kWを対象とする2件のバーチャルPPAで、年間約200万kWhの環境価値を調達する計画です。需要家が同様の契約を比べるときは、電力購入契約と環境価値・差金決済を分け、発電不足や価格変動を含む長期リスクを確認します。
参考にした一次情報
本記事は各社・公的機関が公表した情報をもとに、一般的な検討ポイントを独自に整理・解説したものです。掲載組織との提携・推奨関係を示すものではなく、個別案件の設計・法令判断を代替しません。設備条件や最新制度は案件ごとにご確認ください。
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