インバランスは、電力を使う量・発電する量について事前に提出した30分単位の計画値と、実際の需要・発電量との差です。電力は大量にためにくいため、計画と実績のずれは一般送配電事業者が調整し、その費用を制度に基づいて精算します。FIP発電事業では、誰が発電計画を作り、予測誤差を管理し、精算を負担するかを売電・アグリゲーション契約で確認する必要があります。

計画値と実績値の差がインバランス
電力市場では、発電事業者・小売電気事業者などが翌日の発電量や需要量を30分単位で計画し、所定の手続きで提出します。実需給では天候、設備停止、需要変動などにより計画どおりにならないことがあり、この差がインバランスです。
太陽光や風力は天候で出力が変わります。工場や倉庫の需要も、生産計画、空調、操業変更で動きます。予測を更新して計画を合わせることはできますが、差を完全にゼロにできるとは限りません。
| ケース | 計画 | 実績 | 生じる差 |
|---|---|---|---|
| 発電量が予測を下回る | 100kWh | 80kWh | 発電不足20kWh |
| 発電量が予測を上回る | 100kWh | 115kWh | 発電余剰15kWh |
| 需要が予測を上回る | 100kWh | 120kWh | 需要超過20kWh |
ずれは一般送配電事業者の調整後に精算される
一般送配電事業者は、エリア全体の需要と供給を一致させるため、調整力などを使って不足・余剰を調整します。その後、計画を提出した主体との間で、インバランス量と制度上の単価に基づく精算が行われます。
インバランス単価は固定ではなく、時間帯や需給状況などで変わります。収支計画で一つの単価を将来期間へ固定せず、予測誤差、発生量、単価の変動を分けて感度分析します。OCCTOが再エネ交付金算定用に公表する『インバランスリスク単価』は、一般のインバランス料金そのものと同じ指標ではなく、FIP設備でも電源種によって適用関係が異なります。
FIPでは発電計画と市場取引の責任を確認する
FIP制度は、発電事業者が市場で電気を売ることを基本とし、市場収入にプレミアムを加える仕組みです。FITの送配電買取などと比べ、発電計画の作成、市場取引、インバランス管理が事業運営に関わります。
ただし、発電所所有者がすべてを自社で行うとは限りません。アグリゲーターなどへ予測・計画提出・市場取引を委託する契約があります。委託してもリスクが消えるとは限らないため、料金体系、精算の帰属、データ欠測時の扱い、解約時の引継ぎを確認します。
- ✓発電量予測と計画提出を行う主体
- ✓計画変更の締切と休日・夜間の運用体制
- ✓インバランス量・単価・精算結果の閲覧方法
- ✓予測誤差や通信障害が発生した場合の費用負担
- ✓出力制御、設備停止、計量値訂正時の扱い
自家消費設備でも受電・逆潮流と計量点を分けて見る
自家消費太陽光を設置した需要家が、直ちに発電側のインバランス精算主体になるわけではありません。小売契約、余剰電力の売電契約、発電設備の認定・契約形態によって役割が変わります。
見積・契約では、どの計量点の値を誰が取得するか、受電需要と自家消費・逆潮流をどう分けるか、設備停止や計量器交換時のデータをどう補正するかを確認します。『予測AIでインバランスをゼロにできる』といった説明は前提条件と実績の検証が必要です。
事業計画では量・単価・責任分界を別々に確認する
収支を確認するときは、①どれだけ計画差が生じるか、②その時間帯の精算単価はどう動くか、③誰がどこまで負担するかを分けます。三つを一つの固定率へまとめると、悪天候、設備停止、高単価時間帯の影響が見えません。
契約締結前に、計画・実績・精算を30分単位で追えるサンプル帳票を確認します。月次請求額だけでなく、発生理由を設備運用へ戻せることが、予測改善や停止計画の見直しにつながります。
よくある質問
Q.インバランスは罰金ですか?
A.計画と実績の差を調整した結果の精算です。制度上の算定方法で金額が決まり、単純な定額罰金ではありません。
Q.蓄電池を入れればインバランスはなくなりますか?
A.予測誤差の吸収に使える場合はありますが、容量、出力、SOC、充放電損失、別用途との競合があるため、必ずゼロになるわけではありません。
Q.FIPでは発電所所有者が市場取引を必ず自社で行いますか?
A.いいえ。委託する構成もあります。計画提出、取引、精算、費用負担を契約で確認してください。
POINT
この記事のまとめ
インバランスは30分単位の計画値と実績値の差です。事業計画では、差の量、精算単価、費用負担の主体を分け、発電予測・計画提出・市場取引・精算の責任分界を契約とサンプル帳票で確認します。
参考にした一次情報
本記事は各社・公的機関が公表した情報をもとに、一般的な検討ポイントを独自に整理・解説したものです。掲載組織との提携・推奨関係を示すものではなく、個別案件の設計・法令判断を代替しません。設備条件や最新制度は案件ごとにご確認ください。
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